会社が赤字になったときに気をつける3つのポイント
こんにちは。税理士の山下久幸です(^^)
今日は「会社が赤字になったときに気を付ける3つのポイント」を解説していきます!
そもそも赤字とは
まずは「赤字」の定義を確認してみましょう。
損益計算書 ⇒ 売上-経費=▲赤字
貸借対照表 ⇒ 赤字が続くと、純資産がマイナスになる
売上から経費を引いて、マイナスになれば赤字ということですね。
損益計算書は、1年単位で黒字か赤字かを見るものです。
貸借対照表は、これまでの経営成績の蓄積になります。
赤字が続いて純資産がマイナスになると「債務超過」と言われるものになります。
債務超過については以前アップした動画がありますので、よければ参考にしてみてください。
赤字になったときに気をつける3つのポイント
- 赤字でも税金がかかる
- 借入を検討する
- 経費を見直す
1.税金
均等割
法人の場合は、会社の住所地に「均等割」という税金が、年に一回発生します。
これは要するに「場所代(ショバ代)」です。
会社の住所のインフラを使っているから、その分の税金を納めるのが均等割になります。
金額は市町村によっては異なりますが、平均すると大体年間7万円になります。
個人事業では発生しない税金ですので、まずは個人事業で利益を出してから法人化するのもアリかなと思います。
7万円だと、軽くiPadくらい買える値段ですので、もったいないですからね(^o^)
消費税
消費税は。お客さんからもらった売上にもかかりますし、家賃やタクシー代といった経費にも消費税を払っています。
ですので、売上の消費税から、経費の消費税を差し引いた額を、税務署に納めるということになります。
- 売上の消費税ー経費の消費税=納税額
均等割と消費税は、赤字であっても税金は確実に発生します。
売り上げ1,000万以下の小規模な会社であれば、消費税は免税されているケースもありますが、今後はインボイス制度によって逃れられなくなりますのでご注意ください!
2.借入を検討する
将来の資金繰りを予測し、いつお金がなくなるかを計算しておきましょう。
もしお金がなくなりそうなら、早めに銀行へ相談する必要があります。
コツは「ちょっと悲観的に考えておくこと」くらいでちょうど良いです(^o^)
家賃や人件費などの経費は固定なので分かりやすいですが、売上は不安定です。
売上予測の8掛けくらいで見積もっておきましょう。
そして、もし半年後にお金がなくなるのであれば、今の時点で銀行に相談しておくべきです。
なぜかというと、借り入れをするには審査があり、時間がかかるからです。
そして万が一審査が通らなかった場合は、違う銀行を探すことになりますので、早めに相談しに行く必要があるのです。
3.経費
この単純な式を御覧ください(^o^)
- 売上-経費=利益
つまり利益を出すためには、売上を上げるか、経費を下げるしかありません!
売上というのはお客様、つまり第三者によって左右されてしまいますので、まずは今払っている経費で無駄なものがないかを見直す必要があります。
経費の見直しポイントは以下の3つです。
1.通帳を1年分見る
この支払い何かな?というのがあったら請求書をもう一回確認してみてください。
こんなの必要ない、こんな経営者の集まりの会はコロナだから行ってないよ、そういったものは見直したほうが良いですね。
経理任せとか、奥様にやってもらっていたら、意外と知らない支払いが多かったりします。
2.毎月の支払いの請求書をチェック
経理に任せていると、社長が細かく中身をチェックしていない場合があります。
その場合は、経費を振り込む前に社長が1年間の請求書をチェックすると良いでしょう。
この仕組みを作っておかないと、無駄なものを払ってしまう恐れがあります。○○会の会費とかですね!
3.クレカの明細を見る
最近は明細が郵送で送られてくるものではなく、WEBにアクセスして自発的に見なければならないケースが増えてきましたので、ここは盲点になりがちです。
サブスク契約の解約忘れなど、思わぬ出費が見つかるかもしれません。
私もつい最近、年間5,900円の契約を解約忘れしていたのが発覚してガックシきました。。。
まとめ
- お金の管理を徹底する
- 経費を見直す
- 役員報酬を下げる
経費を見直してもなお赤字が続くのであれば、それは社長の責任です。
その場合は、自分(社長)の給料を下げるという選択も必要になります。
厳しい言い方をすると、売上から経費を引いた残りが利益ですが、経費に社長の給料は入っていません。
ここで残った利益の中から役員報酬が支払われるのです!!
そう考えると、赤字のときは役員報酬なんか取れないという覚悟でやっていかないと、会社に利益は残りません。
役員報酬を下げたくなければ、もっと頑張っていきましょう!
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