会社と社長のお金を増やすブログ Written by 税理士 山下久幸

節税の基本は分散!

会社の税金 個人の税金 節税

こんにちは。税理士の山下久幸です(*^^*)
今日は「節税の基本」を学びましょう!

節税の基本は分散です。
理由は、分散することで税率を低く抑えることができるからです。
今日は分散の意味を学びます。

分散とは?

個人の税金には、所得税と住民税の2つがあります。

  • 所得税 5%〜45%
  • 住民税 10%(一律)

この2つを合計すると、最低でも15%、最大で55%の税率になります。

もし会社から年間1億円の役員報酬をもらうとすると、最大値である55%の税金がかかってしまいます。
でも1億円を1千万円ずつ10人に分ければ、低い税率を維持できます。
これが分散ということです。極端ですけどね(笑)

こちらの手取り額で、自分の給与で確認してみてください(*^^*)
»»»給与(役員報酬)の手取り一覧表

分散の3つの方法

  1. 家族で分散
  2. 会社で分散
  3. 投資で分散

1.家族で分散

家族経営をされている方向けです。
役員報酬を社長1人でガツンと取るのではなく、親、配偶者、子、親戚などに分散します。
自分1人の年収は低くなりますが、一家全体で支払う税金のトータルは安くなります

注意点は「ちゃんと働いているか?!」ということです。
働いてないと給与としては認められないので気をつけてください。

また、社会保険料も関わってくることがあるので、そこも注意してください。
先代の社長だった親を非常勤役員にしておくと社会保険料も税金もかからないので、助言をもらっているという体裁で給料を払うのはアリかなと思います(*^^*)
この辺はしっかり顧問税理士さんと話し合ってみてください。

2.会社で分散

1つの会社だけでやるのではなく、別会社を立ち上げて節税をするという方法です。
法人税の税率は2段階あります。

  • 利益800万円まで 25%
  • 利益800万円超  37%

例えば会社の年間利益が2千万円だとすると、そのうち800万円分に25%、残り1200万円分に37%が課税されます。

年間利益 2,000万円
税金 800×25%+1,200×37%=644万円

でも会社を2つに分けて、年間利益を1千万ずつにすれば、800万円分に25%かかるのは変わりませんが、37%の方は200万円分だけで済みます。
これだけで約100万円の節税になりますね(*^^*)

年間利益 1,000万円×2社
税金 800×25%+200×37%=274万円×2社=548万円

もちろん、会社を2つにすることによって初期費用や維持費など別のコストがかかってくるので、そこの兼ね合いは考える必要があります。

また顧問税理士報酬も増えてしまいます(笑)
会社が2つになれば、税理士の手間は2倍までとは言いませんが、個人的には1.6~1.7倍くらいの感覚ですね。
違う会社を2社受け持つよりは安くできるけど、その労力の分はいただかないといけなくなります。
その辺の対策も可能ならば、会社を分けるという手もアリかなと思います。

また、片方を個人事業にしてしまうのもアリです。
税理士によってはダメだと言う人がいるんですけど、別にそんなことは法律には一つも書いてないので大丈夫です。
ただ、本業の会社の利益を食いつぶしてまで個人的な事業をするのは、その会社の従業員さんからすると気持ちの良い話ではないので、ちゃんと自分で金を出してやるべきかなと思います。

3.投資で分散

株式投資、配当、投資信託、不動産、給与など、それぞれ税金のかかり方が違います
例えば、株式投資、上場株の配当、投資信託は、税率が約20%。
不動産の場合は減価償却の経費ができるので、赤字扱いになって節税できます。

また、投資先も分散することでリスクヘッジになるので、そういう意味での分散も検討してみてください(*^^*)

ちなみによくある勘違いで、ビットコインで儲けたら絶対に55%の税金がかかると思っている方もいらっしゃいます(笑)
それは最大で55%というだけの話で、所得でいえば4千万円以上です。
普通の人がそんなに儲かるわけがないので、これは勘違いですね!

まとめ

3つの分散方法を紹介してきました。
どの方法を選ぶかはケースバイケースです。事業内容や家族構成、投資先など、自分に合ったやり方を検討してみてください。
独り身で分散する相手なんかいないという場合もありますからね(笑)

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