会社と社長のお金を増やすブログ Written by 税理士 山下久幸

青色申告の2大特典を学ぶ!

個人の税金 節税

こんにちは。税理士の山下久幸です(*^^*)
1月になり、確定申告の時期が近づいてきました。
確定申告と言えば、よく「青色申告」という言葉を目にしますね。

そこで今日のテーマは、青色申告の二大特典について。
この二つの特典を理解しておけば大丈夫!その他の予備知識は、その都度ググってもらえればOKかと思います(*^^*)

ちなみに青色申告と言えば、僕の学生時代の就活を思い出しますね。
当時、税理士事務所に入りたくて片っ端から面接を受けていましたが、勉強はまったくしていませんでした。。。
そのうちの1社の筆記試験で「青色申告について答えなさい」という問題が出てきて、何もわからなかったので「すいません、わかりません」という一文だけ書いて提出して、開始2分くらいで退席したことがあります。
担当の方に「もういいんですか?」とか言われて、泣きながら帰ったことを思い出しますね(*^^*)

まあ、そんなことはどうでもいいんですけども(笑)
今日は青色申告の二大特典について解説します!

⇒動画・音声で学びたい方はこちら

青色申告の二大特典

まずは特典からご紹介します。

  1. 青色申告特別控除
  2. 赤字の繰り越し

では、この2つの中身を詳しく解説していきますね(*^^*)

1.青色申告特別控除

僕がいつもお話しているように、控除とは=経費ということです。
つまり青色申告をすれば、経費の特典が上乗せされるということですね。
控除できる金額は3種類あり、10万円、55万円、65万円となっています。
これまた複雑ですねー(笑)

10万円の控除

10万円を控除するには簡単です。税務署に届出書を出すだけです。
青色申告の届出書は、こちらの国税庁のホームページを見ればすぐ出てきますので、住所・氏名・事業内容を書いて提出してください。
»»»[手続名]所得税の青色申告承認申請手続
とりあえず入り口はここですね(*^^*)

帳簿はキチンと付けなくても、売上・経費の集計は家計簿的なものでOK!
僕なら、ExcelやGoogleのスプレッドシートでサクッと集計だけしますね。

55万円の控除

こちらは金額が上がるのでちょっと面倒です(*^^*)
簿記の原則に従ってきちんと帳簿をつけられる方なら、55万円の控除ができることになっています。
理由は、簿記を使えば不正がしにくいので、それなら国としても認めますよ、ということですね。
ただ、簿記の知識があればいいのですが、家計簿レベルの知識では難しいので、会計ソフトを使えばここもクリアできるでしょう!

65万円の控除

そして最後は最大受けれる65万円です。
65万円控除を受けるためには、2つのどちらかをクリアする必要があります。

  • 帳簿をつけた上で、電子申告をする(e-Tax)
  • 帳簿をつけた上で、帳簿を電子保存する

電子申告をするか、もしくは帳簿を電子で保存すればOKです。
ただし、後者はあまり現実的ではないので、基本的には電子申告をする方向で考えたほうが無難ですね。
そのため、自分で帳簿を付けて、電子申告すれば65万円控除受けれるのです!!
意外と簡単でしょ(*^^*)

税理士に依頼するコスト

税理士に依頼するのも手ですが、税理士に支払うコストと節税額の兼ね合いを考えなければいけません。
税理士に頼めば、帳簿も付けてくれて、基本e-Taxですから、最大の65万円控除は確実です。
でも自分でやれば帳簿も付けれないし、e-Taxもできない、となると10万円の控除と65万円の控除の差額は55万円になりますよね。
つまりこの差額に対する節税額は、55万円の控除×所得税の税率(最低15%~)なので、節税額は最低8万円です。

自分で確定申告をする 10万円の控除
税理士に依頼する   65万円の控除
差額         55万円
節税額の差額 55万円×15%=8.25万円

でも、この差額8万円の節税のために税理士さんに確定申告報酬を15万円払うのは、本末転倒ではないでしょうか(笑)
確定申告を初めてするときだけ税理士に依頼して、そこで学んで、翌年から自分でやるというならアリですよね!

税理士の立場から言っても、ある程度は自分でできるようんになって、事業が大きくなって依頼される方が嬉しいですし、やりがいもありますからね(*^^*)

控除額のまとめ

さて青色申告ですが、10万円、55万円、65万円と3つありましたが、自分で確定申告するなら僕は10万円の青色申告でいいのではないかと思います。
なぜなら簿記を知らないといけないし、e-Taxのカードや電子証明書を作ったり、読み取り機械も必要で、とにかく面倒だからです。
ただ最近は、スマホを使いマイナンバーカードを読み取れるみたいなので、これができるのであればやってみましょう!
※すいません、僕はまだやったことないです(笑)

もしどうしても65万円控除をしたいのであれば、初年度だけ税理士に依頼する、そして翌年からは自分で知識をつけてやってしまうほうがオススメです。
今だったらクラウドのソフトもありますし、ひとまず挑戦してみるのもアリかもしれません!
ただ、それでも時間はかかりますし、無理して挑戦するよりも10万円の控除でいいと思いますよ。

なぜ税理士の僕が損するようなことを伝えるかというと、確定申告に時間やお金をかけるよりも、自分の事業を成長させることにお金や時間を集中したほうが、より効果(将来の利益)が高いからです!!

税理士さんは、よく営業トークで「65万の控除が受けれて、節税になりますよ!」って言うんです(笑)
でも「節税額がどれだけ安くなって、あなたがどれくらい得をするよ」ということはあまり教えてくれません。。。

例えば、税務顧問料が毎月1万円だとすると、年間で12万円ですね。
さらに決算料や確定申告報酬でプラス10万円と言われたら、年間で22万も払うことになります。
でも節税額はたったの8万円。費用対効果は悪いのではないでしょうか(笑)

ただし、自分でやるには時間がかかります。
その時間はクラウド会計を使ったり、仕事の効率化・IT化、書類の整理を日々やっておくことをオススメします。
これは確定申告以外でも言えることですからね!

2.赤字の繰り越し

続いて、青色申告2つ目特典です。内容は赤字の繰り越し。

例えば、2020年に個人事業で独立したとします。1年目は経費を多く使ったため、赤字が100万円でした。
2021年、なんとか頑張って300万円の黒字になりました。
この場合、2021年の確定申告は通常なら300万円になりますよね。

でも、2020年に青色申告の適用を受けていれば、マイナス100万は翌年に持ち越せるのです!
つまり、300万-100万で、200万円の利益として税金を計算するということになります。

2020年 1年目 ▲100万円
2021年 2年目 +300万円 ⇒ 申告額 300-100=200万円

赤字を持ち越せる期間は3年間です。
2020年に出たのであれば、2023年までマイナス100万を持ち越しできます。

事業開始して1年目は、事務所を借りるとかパソコン買うとか、いろんな経費が多めに出てしまいます。
それにお客さんもまだまだついてないことが多いですよね。
そうすると赤字になりやすいのです。。。

かくいう僕自身も、1年目に数百万円の赤字を出して、それを繰り越して税金を払わずにやり過ごしていた経験があるので、これを理解しておくことの重要性は身に染みて実感しています(*^^*)

まとめ

  • 10万円から最大65万円の控除がある
  • 赤字の繰り越しが最大3年間できる

副業や個人事業を始めようとしている方にとって、青色申告のデメリットはひとつもありません。
税務署に青色申告の届出書を出しておくだけでOKですからね。

コラム

余談になりますが、青色申告に対して「白色申告」と言われています。
実は、白色申告という言葉は法律上ありません(笑)
かつては申告の用紙が青色で送られてきていて、それに対して普通の用紙だったため白色申告になったという説が有力ですね(*^^*)

動画・音声