会社と社長のお金を増やすブログ Written by 税理士 山下久幸

消費税を払わなくてもよい会社があるって本当?!

消費税ほか 節税

こんにちは。税理士の山下久幸です(*^^*)
今日は「消費税を払わない会社がある」というテーマでお送りします!!

消費税って納税額がかなり高額になるため、始めて払うときにビックリされる方が多くいらっしゃいます。
売上でもらってるので払うのは当たり前なんですが、一度会社の通帳に入ったお金を払うのは嫌ですよねー(笑)

ただこの消費税は節税で得することもできますので、そのあたりをしっかり確認しておきましょう!
今後のインボイスのことも大事ですし(*^^*)

消費税を納税しなくて良い会社

消費税を納税しなくてもよい会社があるのです。
あなたは知っていましたか?

これは脱税ではありません(笑)
キチンと法律にある制度で、消費税の計算方法というのは煩雑なので、小さな会社はそこまでしなくてもいいよ!というものです。

こちらの記事で消費税の計算を解説しています。
»»»消費税っていくら払うか問題を解決!ザックリ計算式を解説

しかし、面白いですよねー。
お客さんに売上の消費税を請求しているのに、その消費税は納税しなくても良いんですから。
これを専門用語で「益税(えきぜい)」と言います。
ようは、税金で得=利益が出ているってことですね(*^^*)

では、どのような会社が対象になるかというと、こちらの会社です。

2年前の売上が1,000万円以下の会社

このような会社であれば、消費税の納税は必要ありません。
ポイントは「2年前」で判定しますので、今の売上がいくらかは関係がないのです。
以下、判定が少しややこしいので数字と時系列で解説しますね!

消費税の判定

分かりやすいように、個人事業の1月〜12月締めのスケジュールで見ていきます。
例えば、このような人がいたとしましょう(*^^*)

  • 個人事業の事例
    2020年 起業 売上1,500万円
    2021年 売上 2,000万円
    2022年 売上 3,000万円
消費税の節税

このようなスケジュールだと、消費税の納税は以下のようになります。

  • 消費税の納税
    2020年 2018年の売上 0円<1,000万円 無し
    2021年 2019年の売上 0円<1,000万円 無し
    2022年 2020年の売上 1,500万円>1,000万円 納税あり!

これが基本的な流れです。
該当する年の2年前に1,000万円を超える売上があったかどうか?で判断されます。
つまり、起業して最大2年間は消費税を納税しなくても良いのです!
あくまで原則です。いろいろ特例がありますのでお気をつけ下さい(*^^*)

そしてココからも面白いですよ。
通常の節税対策としては、2022年(起業して3年目)に法人を設立します。
そうすると、法人として1年目になり、その2年前の売上は「ゼロ円」になるので、法人でも最大2年間消費税を納税しなくても良いのです!!
つまり、法人を設立すれば、リセットされるということです(*^^*)

法人を設立して消費税の節税

しかし、こんな都合良いことが長くは続きません。30年以上続きましたが(笑)
これにメスが入ったというか、当たり前の流れになりました。

今後起業する場合

2022年以降に個人事業、法人で起業する方は、最大2年間の消費税の恩恵は使えません。。。
理由は、2023年(令和5年)10月1日からインボイス制度がスタートするからです。

このインボイスがやっかいです・・・。こちらの記事で詳しく解説しています。
»»»消費税のインボイス方式ってなんですか?!

インボイス制度をザックリ説明すると、売上で消費税を請求してもらったなら、消費税はキチンと納税してね!ということ。
まあ、当たり前と言ったら当たり前ですが(笑)、これまでの30年以上の当たり前が使えなくなったのです。

考えるべき会社

フリーランスの消費税

消費税やインボイスについて、以下のような会社の人はしっかり考えましょう。
特に、いまの売上が1,000万円以下の会社の人たちですね。

  • 売上1,000万円以下の会社
  • 2021年以降に起業した個人事業、法人
  • 2023年9月までに起業する予定の人

つまり、今消費税を納税していない会社は要検討です!
これから起業する人も、多少は恩恵がありますね(*^^*)
早く起業しましょう!(笑)

副業、投資案件も要注意!

本業以外でも、こいういったことをやられている方はご注意下さい。

  • 副業で仕事をしている(特に会社相手)
  • 不動産賃貸業(店舗、事務所、駐車場)
  • 太陽光発電投資

副業

副業で、ココナラストアカなどを使って、副収入がある方は要注意です。
理由は、企業から外注先として仕事を依頼されている場合、その外注先に消費税を払いますが、それが個人の副業でインボイスの対象外の人に払えば、消費税の支払が控除できないからです!

  • インボイス前
    売上の請求 11万円(税込み)
  • インボイス後
    売上の請求 10万円(消費税請求できない)

副業だと年間の売上が1,000万円超えることもまれなので、インボイスを登録するかは悩みますね・・・。
そのため、インボイスに登録しなければ、約10%程度売上は減少することになります。。。

不動産投資

不動産投資の場合は、一般の居住用の賃貸は消費税がかかりませんが、店舗、会社の事務所、駐車場などには消費税が含まれています
その場合、会社に不動産を貸していると、インボイスを出してくれと言われる可能性が高いでしょう。
しかし、年間の不動産収入が1,000万円の個人は消費税を納税していませんので、かなり困ったことになります。

選択肢としては、インボイスの業者になって消費税を納税するか?消費税分を値下げするか?という究極の選択になるでしょう。

太陽光発電投資

不動産投資と同じように、太陽光発電投資にもこれが言えます。
太陽光発電は、20年間電力会社に買い取ってもらえますが、その収入は消費税込みで支払われています。
これはもらっている投資家が免税事業者であってもです。
しかし、このインボイスが始まれば、免税事業者であれば消費税をもらうことは基本できません・・・。
※今のところ、電力会社からアナウンスは無いので。

そのため対策としては、不動産投資と同じように究極の選択となるのです。
僕自信も気づかず、いま作戦を考えているところです(*^^*)

まとめ

  • 消費税をもらっても払わなくてよい会社がある
  • 2023年10月からインボイス制度が始まるため使えない
  • 副業、投資案件も早めに検討を!

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