会社と社長のお金を増やすブログ Written by 税理士 山下久幸

【税理士が完全解説】パートの年収、いくらが最適?税金・社会保険のカラクリ

個人の税金

こんにちは、税理士の山下です。今日は多くの方が頭を悩ませる「パートの年収、いくらにすべき?」という問題について、徹底的に解説していきます!

「働いたのに手取りが減る…」そんなモヤモヤ、解消しませんか?

税金や社会保険の制度って、本当に複雑で分かりにくいですよね。「自分の年収をいくらにしたらいいか分からない…」「せっかく働いたのに、手取りが思ったより少ない…」そんな悩み、よく聞きます。

実は、私も今回改めて調べて計算してみたのですが、一般の方がゼロから調べるのは本当に大変です。国も分かりにくくしているんじゃないかと思うくらい(笑)。迷子になるのも無理はありません。

でも、ここをしっかり理解しておかないと、悪い言い方ですが「働き損」になってしまうんです。どうせなら効率よく働いて、しっかり稼ぎたいですよね?

結論:最適な年収はこれだ!

さて、お待たせしました。結論を先に言っちゃいます!

  • 税金ゼロ ⇒ 年収93万円
  • 税金少し ⇒ 年収130万円

税金を1円も払いたくない人は年収93万円以下、少し払ってもいいという方は年収130万円までに設定してください。

なぜこの金額がお得なの?3つの理由

理由は3つあります。

  1. 税金が最小限の負担
  2. 配偶者控除が受けられる
  3. 国民年金の負担がない

1. 税金が最小限の負担

  • 年収93万以下なら税金0円
  • 130万未満で社会保険がなければ、税金は年間5万円くらい

実際の手取りはこんな感じです。

年収 所得税 住民税 社会保険 税金合計 手取り
930,000 0 0 0 0 930,000
1,300,000 13,700 34,500 0 48,200 1,251,800

2. 配偶者控除が受けられる

配偶者控除って知ってますか?年収130万円以下なら、世帯主が最大38万円の控除を受けられるんです。

例えば、世帯主の所得税率が20%なら、76,000円もの節税になります。家族で1泊2日の小旅行に行けちゃいますね!

ただし、注意点があります。夫の収入が上がると控除額が減っていきます。

夫の所得 年収換算 控除額
900万円以下 1,095万円以下 38万円
950万円以下 1,145万円以下 26万円
1,000万円以下 1,195万円以下 13万円
1,000万円超〜 1,195万円超〜 0円

3. 国民年金の負担がない

これ、実は法律の抜け穴みたいなものなんです。世帯主が厚生年金に入っていて、配偶者の年収が130万円未満なら、国民年金を払わなくていいんです。

令和5年度の国民年金は月額16,520円。年間で198,240円です。約20万円の負担が減るんです!これはかなり大きいですよね。

要注意!社会保険のカベ

ここからが本日のメインイベントです!社会保険のカベ、知ってましたか?

年収130万円未満なら、社会保険に加入しなくてOKなんです。でも、注意点がいくつかあります。

  1. 通勤手当も含まれる
  2. 大企業だと106万円から加入の可能性も
  3. 2024年10月からは従業員51人以上の会社も対象に

特に通勤手当の件は要注意です。例えば

  • パート給与:月10万×12ヶ月=120万円
  • 通勤手当:月1万×12ヶ月=12万円

合計132万円で130万円オーバー!社会保険加入になっちゃいます。

社会保険に加入すると、年間約20万円の負担増。国民健康保険+国民年金だと、なんと約26万円の負担増になるんです。

大企業勤務の人、要注意!106万円問題

大企業に勤めている方は特に注意が必要です。次の条件に該当すると、社会保険の扶養の基準が130万円ではなく106万円になります。

  • 従業員数が101人以上の企業に勤務
  • 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 2ヶ月以上の雇用期間が見込まれること
  • 学生ではない

さらに、2024年10月からは従業員51人以上の会社も対象になります。面接時に確認するのを忘れずに!

まとめ:働き方の新しい視点

ここまで年収の上限について話してきましたが、実は私が本当に伝えたいのは…

**もっと楽しく働こう!稼ごう!**ということなんです。

「ノミの天井」って聞いたことありますか?小さなケースに入れられたノミは、ケースを外しても高く飛べなくなるんです。

私たちも同じ。年収の上限を決めて働くのではなく、その天井を取っ払って働いてみてはどうでしょうか?

副業のすすめ:20万円の壁を活用しよう

副業で年間20万円以下の所得なら、確定申告の必要がありません。これを活用しない手はありません。

さらに、副業で稼げるようになったら、事業所得として青色申告をすれば、最大65万円の控除が受けられます。つまり、65万円まで利益を出しても税金がかからないんです!

最後に:未来のために、今できること

子育ても大変ですが、夫婦でお互い協力して、時間を作りながら働くのがおすすめです。子供と遊べる時間って今しかありませんからね!

女性の皆さん、もっと外に出て働いてみませんか?私の事務所のパートの方々は本当に優秀で、20代の若い男性よりもパソコンスキルが高いんですよ。

未来の子どもたちのために、意味のない日本の借金を残さないためにも、見えない天井を作らずに一緒に楽しく働き、稼ぎましょう!

そうすれば、給与が増える→税金・社会保険を払う→でも手取りも増える→お金を使う→経済が回る、という好循環が生まれます。これこそが健全な経済ではないでしょうか。

いかがでしたか?パートの年収、思ったより奥が深いでしょう?でも、これを知っているだけで、あなたの働き方が変わるかもしれません。ぜひ、明日からの仕事に活かしてくださいね!そして、もっと楽しく、もっと稼いでいきましょう!