会社と社長のお金を増やすブログ Written by 税理士 山下久幸

会社の最低目標売上知ってますか?!損益分岐点の売上高の求め方

融資 財務・決算書

こんにちは。税理士の山下久幸です(^o^)
今回は、「会社の最低目標売上の計算」を学んでいきましょう!

コロナ融資の元本返済(据置期間の終了)がスタートして、借り入れの返済が大きくなった会社も多いのではないでしょうか?!
ここで今一度毎月、毎年の目標売上(利益)を数字で確認しておきましょう!

⇒動画・音声で学びたい方はこちら

利益からしか返済できない

当たり前の話ですが・・・

  • 売上−経費=利益

残りの利益からしか借り入れの元本の返済はできません。
こんな当たり前のことを書いてこっぱずかしくなりますが(笑)、これを理解していない経営者は結構多いのです。

借入金の返済とは?

借入金の返済には、2つに区分されます。

  1. 元本の返済
  2. 利息の支払

<事例>

  • 600万円の借り入れ
  • 年間2%の利息
  • 返済期間5年

毎月の返済額を計算すると・・・。

  • 元本:600万円÷60ヶ月(5年)=毎月10万円
  • 利息:600万円×2%×1/12=1万円

この借入の場合は、合計11万円を毎月返済する計算となります。
利息は経費になります。
しかし元本部分の支払いはお金は出ますが、経費にならないのです!
理由は、ただお金を借りて、返済しているだけだからです(^o^)
この部分はしっかり理解しましょう!

会社の目標利益は知ってる?

そもそも会社の目標利益は知っていますか?!
よく用いられる数式はこちらです。

  • 損益分岐点=固定費÷(1−限界利益率)

この数式を聞いて、すぐに理解できる方いらっしゃいますか?!
僕は分かりません(笑)

なので僕はザックリとした計算式で、

  • 利益トントンの売上=固定費÷粗利率

と定義しています!こちらがオススメです(^o^)

<事例>

  • アパレルの小売業
  • 洋服の原価率70%(粗利率30%)
  • 固定費 300万円/月

利益トントンの売上=300万円÷30%=1,000万円が目標の売上となります!

※固定費は、人件費、家賃、その他諸々毎月かかる経費のことです。
逆に、減価償却費は含めたらダメです。

損益分岐点の落とし穴

上記算式では、1つ考慮されてないことがあります。
それは「借入金の返済」です。

利益トントンの売上を達成すれば利益は出ますが、借入金の返済があるとお金は足りないのです・・・。
お金は毎月どんどん減っていってしまいます。
そのため、また借り入れを繰り返し、悪いスパイラルに入ることになるのです。

資金繰りも考慮した目標売上

そこで借入の返済も考慮した計算式をご紹介します(^o^)

  • 資金繰りトントンの売上=(固定費+借入元本)÷粗利率

<事例>

  • アパレルの小売業
  • 洋服の原価率70%(粗利率30%)
  • 固定費 300万円/月
  • 借入元本の返済 30万円/月

資金繰りトントンの売上=(300万円+30万円)÷30%=1,100万円が目標の売上となります!
さきほど計算した目標売上より100万円増加しました!
逆算すれば分かりやすいですよね。

売上100万円×原価70%=粗利30万円、この粗利がないと、借入の元本の返済ができないのです。
そのため、コロナ融資で据置期間がある会社は、この元本の返済が莫大になってくるので、目標売上を再度計算しておく必要があります。

本当はもっと複雑

今回は分かりやすくするためザックリと解説しましたが、実際は、税金や減価償却費を含めて計算する必要があります。

  • 税金の支払い
  • 減価償却費の計算

そのため、顧問税理士に相談してください。
うちの会社で、資金繰りがトントンになる売上はいくらですか?」と。
税理士さんによってはこれに答えられない可能性がありますが・・・(笑)

まとめ

  • コロナ融資で据置期間がある会社は要注意
  • 借入金の返済は、元本と利息に分けられる
  • 損益分岐点ではなく、資金繰り分岐点を知る

動画・音声