社長に賞与を払って、経費にする方法
こんにちは。税理士の山下久幸です(^o^)
今回は、「社長も賞与欲しいんですけど!」というテーマを学びましょう!
役員への賞与
基本は「経費にできない」というのが原則です。
まずは大前提を抑えておいて下さい。
ただ実際払うことはできるのですが、「払っても経費にできない」ので、中小企業ではほとんどありません。
払うのは、大企業の上場企業とか、株主と役員が切り分けられているような会社でしょう。
雇われ社長のような。
ただし税法の要件を満たせば、社長にも賞与を払えて、しかも経費にすることができるのです!
今回は、この部分を徹底解説します(*^^*)
事前確定届出給与とは?!
さて、いきなり答えをバラすとそれは「事前確定届出給与」という制度を活用します。
名前が長ったらしいですが、漢字を確認してみましょう。
事前 ⇒ 先に
確定 ⇒ 決まっている
届出 ⇒ 税務署に知らせている
給与 ⇒ 役員報酬(賞与)
ということで、先に決まっている給与で、税務署に知らせていれば、役員に賞与を払っても経費OKですよ!という意味になります。
届出ること
では、税務署には何を届ければよいのでしょうか?
以下の3つのことになります。
- 誰に(役員)
- いつ(支給日)
- いくら(金額)
を決めて、事前に税務署へ届出する必要があります。
いつまでに
では、いつまでにこの届出を税務署に出すのかというと、以下の「どちらか早い日まで」となります。
- 株主総会から1ヶ月以内
- 期首から4ヶ月以内
<事例>3月決算の場合
◆株主総会 5月25日 ⇒ 6月24日(1ヶ月以内)
※株主総会は決算から2ヶ月以内の申告月が多いです。◆4ヶ月以内 7月31日(4月1日から4ヶ月以内)
∴株主総会から1ヶ月以内の6月24日
この日までに、税務署へ届出を提出することになります。
ここは日付をしっかり守らなければいけませんので、顧問税理士さんと要相談です!
注意すること
ここで注意することをお伝えします。
それは、「支払額は1円でも変えてはダメ」ということです!
役員に支払う賞与が少なくても、多くてもダメです。
届出を出した金額と1円でも違ったら、経費にできないことになります。
ここは要注意!
例えば、100万円と提出しておいて、利益が予想より出たらか多めに150万払って、100万は経費なり、50万は経費にならないとかではありません。
150万円の全額経費となりません!!
逆に、利益が予想以上に出なかったから、100万円だったのを、30万に下げて払っても、その30万円は経費となりません。
よって、「届出した金額しか支給することができない」というのが注意ですね。
このあたりが「使い勝手が悪い」と税理士さんは言いますが、僕が以下で解説する活用方法を読まれてください(*^^*)
なぜ金額を変更することができないかというと、「利益の調整」をできないようにするためです。
「社長の給与はなぜ定額なのか?!」でも話したことですよね。
活用方法
では、山下くんからの活用方法をアドバイスします(*^^*)
それは、「利益が出たら賞与を払う」ようにするのです!
- 利益が出そう ⇒ 届出の金額を払う
- 利益が出なさそう ⇒ ゼロ円
例えば、決算期末に支払う予定で届出(100万円)しておきます。
そして決算が近づいて200万の利益が出たら、100万円払います。
しかし、赤字、もしくは利益が少なかったら、賞与を払わないのです!
そうすれば、100万円の場合は全額経費となり、0円のときは届出とは違いますが、0円で何も払ってないので経費にできない部分はないため、何も損はありません(*^^*)
これでOKです!!
これは「モチベーションアップ」にも繋がります。
社長や役員は、毎月給与が一緒で、利益が出てもモチベーションが上がりません(笑)
そのため、目標の利益が出たら、届出た賞与を払うというようにしておけば、モチベーションが上がりますよね!
僕だけでしょうか、現金なのは(笑)
やはり人間ですから、お金で還元してもらえるのは嬉しいはずです!!
このように、「100か、ゼロか」という活用法を取り入れてはいかがでしょうか(*^^*)
デメリット
まあこれは仕方ありませんが、賞与を払うため社会保険料がかかります・・・。
会社と個人で、約30%の負担。
これは逃れることができません(笑)
嫌であれば、配当金を払う方向も検討しましょう!
こちらは別の記事に譲りますね。
まとめ
- 社長にも賞与を支給して経費にできる
- 利益が出たら払うようにして、モチベーションアップ!
- 賞与や配当でどちらがいいか比較する
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